虫歯
保険診療・自費診療
虫歯と言えば、「痛い・しみる」そんなイメージをお持ちの方も多いと思います。しかし実際は、虫歯になってもほとんど痛みはありません。虫歯が歯の神経にまで到達し、炎症が起きた時に、初めて強い痛みが生じます。
神経は歯の最深部にあるため、虫歯が相当大きくならない限り、そこまで到達することはありません。ただし、痛みが出てしまった時には、神経を取る処置をしなければならない可能性が非常に高いです。
虫歯が小さいうちに治療できれば、痛みに悩まされることもなく、また、何度も歯医者に通う必要もありません。そのため、虫歯治療では早期発見・早期治療がとても大切になります。
当院では急患の対応も行っておりますので、もし急な歯の痛みによって異変に気付いた場合は、早急にご相談ください。
的確な診断と治療で、スピーディーに苦痛を取り除きます。
虫歯の発生原因
虫歯とは、歯垢(プラーク)の中に存在する虫歯菌(ミュータンス菌)が作り出す酸によって、歯が溶けてしまう病気のことです。
実は、この虫歯菌は、産まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはいません。お母さんと同じスプーンなどを使うことによって、唾液を通じて感染します。そして、一度感染すると、この虫歯菌は口の中に住み続けます。
酸によって歯の表面が酸性になってしまうと、歯の成分であるカルシウムやリンが溶け出してしまいます。この状態を「脱灰(だっかい)」といいます。
そして脱灰が進んで歯の表面のエナメル質(歯の白い部分)に穴が空いてしまうと「虫歯」になってしまうのです。
通常は「再石灰化」といって、酸が唾液によって中和され、カルシウムが再び歯の表面に戻るのですが、お砂糖などの糖質を食べ続けていると、虫歯菌が活発に酸を作り出して脱灰が進み、虫歯になってしまいます。
虫歯の進行と症状
虫歯の症状は、進行レベルによってC0からC4にわけられます。
第一段階:C0
「初期虫歯」と呼ばれ、歯の表面のエナメル質が少しだけ溶けた状態のことをいいます。フッ素を塗ることで再石灰化し、自然治癒することもあります。
C0の虫歯は治療をしませんが、進行を防ぐために定期的なメンテナンスが必要です。その際のフッ素塗布は非常に効果的です。
第二段階:C1
C1以上の虫歯については自然治癒は期待できません。
C1はエナメル質まで広がる虫歯で、痛みはなく、少し黒くなったり小さな穴ができることがあります。
第三段階:C2
C2はエナメル質を超え、象牙質にまで進行した虫歯です。この段階では冷たいものや甘いものがしみることがあります。
第四段階:C3
C3は歯の神経にまで達した虫歯で、冷たいものや甘いものだけでなく、熱いものでもしみることがあります。何もしなくても痛みが出ることもあります。神経に達した虫歯は根の処置が必要で、神経を取る処置のためには複数回の治療が必要です。
第五段階:C4
C4は歯の形状がほとんど残っておらず、根だけが残っているような状態です。根の状態によっては、根の治療を行い、かぶせものをすることも可能ですが、最悪の場合、抜歯が必要になります。
虫歯を治療せずに放置した場合のリスク
虫歯は段階が進むほど痛みが増していきますが、C4まで進行して神経が死んでしまうと、何事もなかったかのように痛みが消えてしまいます。痛みがなくなったことで「歯医者に行かなくてよくなった」と思う方もいますが、実はこのまま放置しておくと大変なことになります。
顎の形が変形してしまったり、虫歯菌が顎の骨の中に侵入して「骨髄炎」を引き起こしてしまったりすることもあるのです。そうなると、顎の骨の中で膿が溜まり、顎や顔が腫れあがり、口臭がひどくなります。そして再び激しい痛みに襲われます。
虫歯が顎の骨に侵入すると、虫歯菌が全身に回り、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす可能性も出てきます。痴呆症状と歯の本数の関連性についてのデータも存在しますが、たかが虫歯と放置しておくと、重篤な疾患のリスクが高まり、最悪の場合、虫歯が命を脅かす可能性もあるのです。
虫歯の早期治療の必要性
虫歯は、放置していて治ることはありません。
放置していれば、そのまま進行していきます。基本的な虫歯治療は、歯の悪くなった部分を削り、詰めものや被せもので覆います。この治療は、痛みや進行を抑えるものであり、歯を治すわけではありません。
歯は骨や皮膚と異なり、再生することはできませんので、削られた歯が元に戻ることはありません。治療した箇所がさらに虫歯になると、ますます歯を削らなければならなくなり、最終的には抜歯の可能性すら出てきます。
歯は1本失うだけでも大きな損失となります。たとえば、歯を1本失うと上下の噛み合う箇所が減るため、口内のバランスが崩れていきます。歯の本数が減っても、噛む力は変わらないため、それぞれの歯にかかる負担は増大します。負担に耐え切れなくなると歯肉の炎症が起こり、歯が揺れ始めます。そして最悪の場合、抜歯することになってしまうのです。
抜歯をした後は、失った歯を補うために、今度は両隣の歯の負担が増えます。こうして悪循環に陥り、日常生活に影響を及ぼします。
虫歯が進行すると、痛みが出るばかりでなく、治療にも時間がかかり、通院回数や費用も増加します。そのため、早期発見、早期治療が何よりも大切です。
けいびる歯科では定期的な健診(3カ月~6カ月)をおすすめしています。もし、お口の中に少しでも気になることがありましたら、お早めにご相談ください。
当院の対応方針と治療法
当院では、「なるべく抜かない、削らない、痛くない治療」にこだわり、患者様視点における快適な治療を追求しています。
当院の診療台のライト部分は鏡になっており、いつでも治療中の様子をご確認いただけるようになっています。通常は「口を開けているだけで、何をされているかがわからない」ため、不安を感じられる患者様も多いですが、治療を見える化することで、安心感を持って治療に臨んでいただけます。治療後には、手鏡を使用してご確認いただくこともございます。
初診の患者様は、通常、レントゲンのお写真を撮影させていただきます。レントゲンの写真では、歯と歯の間などの目に見えない部分にある虫歯を見つけたり、歯の根の先の状態を確認することが可能です。また、顎の骨にできた腫瘍を発見できることもあります。
患者様には、レントゲン写真をもとにお口の中の状況を説明させていただき、ご希望を伺いながら、治療計画を立てていきます。
ただし、レントゲン撮影を無理におすすめすることはありません。妊娠中の方などには適切な配慮をさせていただきますので、スタッフや歯科医師にお気兼ねなくご相談ください。
治療内容について患者様にご納得いただけましたら、いよいよ治療を開始します。麻酔が必要な治療の場合は、2種類の表面麻酔と最も細い針を使って、患者様がなるべく痛みを感じないように行っていきます。
また当院では、患者様のお口の中のバランスが崩れないように、なるべく歯を抜かない治療を行っております。ただし、どんな状況でも残すというわけではありません。歯を残すメリット・デメリットをそれぞれご説明させていただき、他の歯の状況も考慮しながら、患者様のご意見を尊重し、一緒に方針を決めていきます。
トリートメントコーディネーターも在籍しておりますので、ご質問や疑問、治療に関するご要望など、いつでもお気軽にご相談ください。
虫歯の治療期間
小さな虫歯の場合
治療回数・所要時間
通常1本の歯につき1回の治療で終わります。
所要時間はおおよそ15分~30分程度です。
治療内容
小さな虫歯の場合、虫歯を取り除いた後に白色のレジンという材料を埋めていきます。レジンは光で硬化するため、治療後すぐにご飲食が可能です。
もう少し大きな虫歯の場合
治療回数・所要時間
通常1本の歯につき2回程度の治療が必要です。
所要時間は1.2回目ともに、おおよそ15分~30分程度です。
治療内容
レジンという材料で埋めた場合、治療後にかかる負担が大きいと、せっかく治療したにもかかわらず、すぐに割れてしまう可能性があります。そのため、金属またはレジンよりも少し硬い白い詰めもので埋める治療を行います。
1回目の治療では、虫歯を削り、型取りまで行います。詰めものを入れる場合は、まず型取りをして技工所で作製します。1回目の治療では、治療した歯に仮の蓋を取り付けます。
2回目の治療は、1週間前後の間隔を空けていただき、技工所で作製した詰めものを歯に接着する治療を行います。この際、詰めものを接着するだけでなく、患者様の噛み合わせの微調整を行います。噛み合わせが合わないままだと、違和感が残るばかりでなく、数日後に痛みや不快感が生じる可能性があるため、患者様に合わせた微調整はとても重要です。
2回目の治療では、接着剤を使用して詰めものを取り付けますので、治療後のご飲食は30分程度お控えください。また、麻酔を行った場合、麻酔が切れるまでには2時間ほどかかりますので、麻酔が切れた後にお食事をされることをおすすめします。
根の治療の場合
治療回数・所要時間
根の治療の場合、神経を取り除く作業のために、時間と回数が必要になりますので、患者様によって異なりますが、最低でも5~6回の診療が必要になります。
1回の治療にかかる時間は、1本の歯につき15分程度です。
概ね1~2週間に1度のペースで受診していただくことになります。
治療内容
根の治療では、まず神経を取り除き、根の内部をきれいにし、根の内部に薬剤を詰めるという治療を数回にわたってくり返し行います。根の先端に炎症が存在する場合、完全に炎症を取り除く必要があるため、月単位での治療が必要な場合もあります。
根の内部がきれいになったら土台を立て、歯の形をした被せものを作製する治療に移ります。
被せものが取り付けるまでは、治療後に穴に仮の蓋をします。仮の蓋が完全に硬化するまでには約30分かかりますので、治療後30分経過してからお食事が可能です。
虫歯の予防について
虫歯に関しては、早期発見・早期治療が重要ですが、同時に虫歯を予防することも大切です。今日からできる最も効果的な予防方法は、やはり歯磨きです。虫歯があったとしても、超初期段階であれば、しっかりと歯磨きを行うことで、治ることもあります。
当院は、患者様のお口の健康維持をサポートをしたいとの想いから、自費診療の料金を良心的な金額に設定する一方、ホームケア用品も他のドラッグストアよりもお求めやすい価格で提供しています。
定期健診では、虫歯の有無を確認し、歯のお掃除を行いながら、患者様のお口の環境を整えていきます。同時に、どの部分磨き残しがあるかを丁寧にチェックし、患者様にお伝えします。さらに、正しい歯の磨き方やデンタルフロスの使い方などを説明します。歯間ブラシや歯ブラシはサイズの種類が豊富にありますが、迷った際にはお気軽にご相談ください。歯科衛生士が患者様に合ったものをおすすめさせていただきます。
虫歯が見つかったとしても、初期段階の小さなものであれば、その日のうちに治療が終わることもあります。予防と早期発見は非常に重要なことなのです。